写真に一言を添えて笑いを生み出す投稿サービス「写真で一言 ボケて」が、2026年9月30日をもってアプリ版のサービスを終了する。Web版についても、新たなボケの投稿や評価、コメント、お題投稿などの機能を終了することが発表された。
「ボケて」は2008年にWebサービスとして誕生し、2012年にアプリ化。18年間で投稿されたボケは1億件を超えており、日本のインターネットを代表する大喜利サービスの一つとして親しまれてきた。
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「ボケて」が2026年9月30日にサービス終了
運営の発表によると、iOS・Android向けの「ボケて」アプリは、2026年9月30日をもって利用できなくなる。同日にはWeb版の新規ボケ投稿、評価、コメント、お題投稿も終了する。投稿サービスとしての「ボケて」は、ここで事実上の終了を迎えることになる。
有料サービス「ボケてサポーターズ」は7月31日に新規購入を停止。アプリは9月30日まで、閲覧や投稿、評価などをこれまで通り利用できる。
一方、Webサイト自体が完全に閉鎖されるわけではない。10月中旬をめどに、Flickrのお題から生まれた殿堂入りボケなどを掲載する閲覧専用サイトへリニューアルされる予定だ。XやInstagramなどの公式SNSも運営を継続するという。
終了理由はシステムの老朽化とサーバー費用の高騰
運営が明らかにした主な終了理由は、システムの老朽化、サーバー費用の高騰、投稿や評価機能の悪用という三つの問題だった。
「ボケて」のシステムは、18年間にわたって機能やコードが書き足されてきた。その結果、メンテナンスに大きなコストがかかるようになり、障害が発生した場合の復旧も難しくなっていたという。
サービスを動かしたままシステム全体を作り直すことも現実的ではなく、完全に動かなくなるまで継続するのではなく、稼働している段階で終了する判断を下したとしている。
さらに、円安などの影響によってサーバーを含むインフラ費用も上昇。長期運営を続けるための負担は、年々重くなっていた。
「面白いボケが評価される」仕組みの限界と悪用問題
終了理由の中でも印象的なのが、評価やランキング機能をめぐる問題だ。
「ボケて」は、ユーザーが自由に写真やボケを投稿し、面白いと思った作品に星を付ける仕組みで成長してきた。誰かを笑わせたい投稿者と、面白い作品を見つけて評価する利用者の存在を前提としたサービスだった。
しかし運営によれば、不適切なお題の投稿や、評価・ランキングの仕組みを悪用する行為が年々増加。自由に投稿できる環境を残しながら規制を強化することが難しくなり、現在のシステムでは根本的に対処できない状態になっていたという。
単純に利用者が減ったから終わるのではない。長期間使われたシステムの限界と、サービス開始当初には想定されていなかった使われ方の変化が重なった末の終了だった。
投稿したボケやお気に入りは個別に保存が必要
サービス終了後は、アプリから自分が投稿したボケやお気に入りを確認できなくなる。
投稿データを一括でダウンロードする機能は用意されていないため、残したい作品がある利用者は、9月30日までにスクリーンショットなどで個別に保存する必要がある。
閲覧専用となるWebサイトに、どの投稿が残されるのかは現時点で決まっていない。自分の投稿がアーカイブに掲載されるとは限らないため、思い入れのある作品は自分で保存しておいた方がよさそうだ。
また、Android版で「ボケてサポーターズ」を利用している場合は注意が必要だ。Google Playの仕様上、自動更新は自動的に停止されないため、利用者自身による解約手続きが必要になる。アプリを端末から削除しただけでは解約されない。iPhone版は、7月31日の販売停止に伴い、原則として自動更新も停止される。
2025年には新サービスも始まっていた
「ボケて」は近年、ただ静かに縮小していたわけではない。
2025年3月には、ユーザー同士がリアルタイムで大喜利対決を行うブラウザゲーム「ボケてバトル」をリリース。過去の投稿から評価の高いボケを当てるクイズや、知人同士で遊べる対戦機能など、新しい展開も行われていた。
それから約1年半で、従来の投稿サービスを終了することになる。新たな遊び方を模索しながらも、18年間使われてきた本体システムを維持する問題までは解決できなかったとみられる。
「写真で一言」は終わらない
運営は9月1日から、18年間に投稿された殿堂入り作品を毎日1本紹介する「殿堂入りプレイバック」を実施する。また、利用者が最も笑った作品を「#boketeこれで笑った」のハッシュタグで紹介する企画も予定されている。サービス終了そのものを、最後まで利用者と一緒に笑って迎えようとする企画だ。
運営は公式発表の最後で、早ければ2027年ごろに、新しい「ボケて」を一から作り直す可能性にも言及している。ただし、現時点では正式な新サービスの発表ではなく、実現するかどうかは決まっていない。
アプリと投稿サービスは終了する。しかし、画像一枚と短い言葉だけで誰かを笑わせる「写真で一言」という遊びまで消えるわけではない。1億件を超えるボケが投稿された18年間は、投稿者が笑わせる側に回り、利用者がその面白さを選ぶ場所が、確かにインターネット上に存在していたことを示している。
「ボケて」の終了は、一つの人気アプリが終わるというだけではない。誰もが一言で笑いの作り手になれた、参加型インターネット文化の大きな一区切りとなりそうだ。
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