「カメラのいらないテレビ電話」を掲げたコミュニケーションアプリ「POPOPO」が、2026年9月17日午後3時をもってサービスを終了する。
運営するPOPOPO株式会社が7月15日に発表した。7月22日にプレミアム会員の新規登録やコイン販売を停止し、8月31日にはアプリの新規ダウンロードを終了する。未使用の有償コインについては、サービス終了後に払い戻しを受け付ける予定としている。
POPOPOのサービス開始は2026年3月18日。開始から終了発表までは約4か月、実際の提供期間も約半年という短い幕引きとなる。
運営は終了理由について、「今後の事業環境やサービスの最適化を総合的に検討した結果」と説明している。利用者数や収益など、終了に至った具体的な事情は明らかにしていない。
動画編集に、Live2Dという付加価値を。【nizima ACTION!!】著名人と大型広告でも定着しなかったPOPOPO
アバターを使った「カメラのいらないテレビ電話」
POPOPOは、顔をカメラに映さず、アバターを介して友人との通話やライブ配信を楽しめるスマートフォン向けアプリ。
利用者は話すだけで、会話の流れに合わせたカメラカットや演出が自動的に加えられ、日常のおしゃべりを映画やドラマのような映像に変えられることを特徴としていた。
サービス開始時には、GACKT、西村博之、川上量生、庵野秀明が運営会社の取締役に就任。各分野の著名人が集結した大型プロジェクトとして、一気に注目を集めた。
さらに、令和ロマンの髙比良くるまを広告に起用し、POPOPOで通話した利用者の中から1人に1億円が当たるキャンペーンも実施。渋谷駅や新宿駅などでも大規模な広告を展開し、『エヴァンゲリオン』とのコラボレーションも行っていた。
サービスの内容を知らなくても、広告によって「POPOPO」という名前だけは覚えていた人も少なくないだろう。
相次ぐ展開の直後に終了を発表
今回の発表が唐突に映る理由の一つが、直前まで新たなコンテンツを展開していたことだ。
7月には新作アバターを発売し、『エヴァンゲリオン』とのコラボレーション第3弾も始まったばかりだった。そうした活発な展開のさなかに、突如として9月のサービス終了が発表されたことになる。
サービス終了後は、アカウント情報やアバターデータがすべて消去され、ほかのサービスへの引き継ぎにも対応しないという。
大々的に打ち出された新サービスだっただけに、開始から約半年ですべてのデータと共に姿を消すというあっけない幕切れに、SNSでも驚きの声が上がっている。
豪華な顔ぶれが、かえって「案件感」を強めたのか
運営から詳しい説明がない以上、POPOPOがこれほど短期間で終了に至った理由を断定することはできない。ただ、サービスの立ち上げがあまりにも派手だったことが、かえって利用者の警戒感を招いた可能性はある。
GACKT、西村博之、川上量生、庵野秀明。知名度だけを見れば、これ以上ないほど豪華な顔ぶれだった。
一方で、活動分野もイメージも全く異なる人物が一つの新サービスに名を連ねたことで、同じ理念のもとに集まった仲間というよりも、大型プロモーションのために用意された「キャスティング」として受け取った人も多かったのではないだろうか。
もちろん、それぞれがどのような経緯や条件で参加したのかは公表されていない。しかし、著名人の起用、1億円キャンペーン、大量の広告、そして人気作品とのコラボレーションが次々と前面に押し出された結果、サービスの中身よりも「豊富な資金を投じて一気に話題を作ろうとしている」という印象が強まってしまった。
本来なら期待や信頼につながるはずの豪華さが、かえって作られたブームのような「案件感」を漂わせてしまった面もありそうだ。
アプリを広めることと、定着させることの壁
コミュニケーションアプリは、一人が広告を見て興味を持つだけでは定着しない。実際に話す相手にもアプリを入れてもらい、LINEやDiscordなど、すでに日常で使っているサービスから会話の場所を移す必要がある。
POPOPOには、顔を出さずにアバターで話せることや、自動カメラワークによる演出という独自性があった。一方で、それが既存のアプリから友人ごと移動するほどの理由になったかは疑問が残る。
POPOPOは、著名人と大型広告によって名前を広めることには成功した。しかし、その話題性を日常的な利用へ変えることはできなかったのかもしれない。
豪華な経営陣、1億円キャンペーン、人気作品とのコラボ。華々しく打ち上げられただけに、わずか半年という幕引きとの落差は大きい。
資金を投じて注目を集めることと、人々が毎日集まる場所を作ることは別物だった。POPOPOの短い歴史は、新しいSNSを定着させる難しさを改めて示す結果となった。
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